皆さんこんにちは!妻のしろです
今回は、最近読んで面白かった本をご紹介します。
小説もエッセイもとても楽しめるものでした。
ぜひ参考にしてみてください。
おすすめ小説
葉真中顕「ロング・アフタヌーン」
出版社で編集を務める葛城梨帆(かつらぎりほ)のもとに原稿が届いた。
それは以前新人賞を逃した志村多恵(しむらたえ)からのもので、梨帆は多恵と原稿の約束をしていたことをすっかり忘れていた。
その物語は学生時代の友人と再会したところから始まり、生きてきた境遇の違う二人は気持ちがすれ違い、憎しみさえ覚えてしまう。
そして、梨帆は自身とリンクしているストーリーに引き込まれゆく。
やがて思いもよらない結末を迎える展開に驚かされることになる。
この作品とても面白かったです。
最近読んだ小説ではナンバーワンでした
私は、この作者は今回初めて知ったのですが、男性だと知って驚きました。
こんなに女性心理が書けているなんてすごいですね。
梨帆と同じく読者もきっとストーリーに引き込まれると思います。
仕掛けのある構成がとても印象的でした。
青柳碧人「クワトロ・フォルマッジ」
小さなピッツェリア「デリンコントロ」でマルゲリータを食べた男性客が絶命する事件が起きる。
ピザに毒が盛られていたのだろうか?
オーナーが不在の夜、4人の店員。
それぞれが秘密を抱えており、すれ違いから全員が怪しく思えてくる。
一体だれが犯人なのか?
店員4人の視点が変わりながら話が進むため、お互いに勘違いし合っているところが面白く書かれています。
登場人物たちの掛け合いがコントのようでした。
4人の隠し事と意外な結末が楽しめました。
殺人事件を取り扱った作品ですが、面白おかしく読めますよ。
外山薫「息が詰まるようなこの場所で」
大手銀行の一般職として働く「平田さやか」は念願のタマワンを購入するもストレスの絶えない日々を送っていた。
一人息子の充の中学受験に、タワマン最上階に住む高杉家との付き合い、上を見ればいくらでもエリートがいる東京での生活。
ローンに苦しんでタワマンの低層階に暮らし、息子に受験を強いる生活に息苦しくて仕方がない。
私の人生はこれで良かったんだろうか?
タワマンにお受験と言われれば、予想がつくようなストーリーではあります。
しかし、タイトルどおりの息の詰まるプレッシャーにつぶされそうな心境がひしひしと伝わってきます。
私は東京にあこがれをもっていないので、こういった東京で勝ち残っていく暮らしのしんどさはわかりませんが、東京近郊にお住まいのかたにはお受験ママでなくてもこの気持ちは共感できるかもしれません。
おすすめエッセイ
朴沙羅「ヘルシンキ 生活の練習」
この本は突如フィンランドに移住を決めた作者と保育園に通う子どもたちとの生活をつづったものです。
フィンランドの教育は世界一とも言われていますが、実際にはどんな教育をしているのか?
日本との違いはどこにあるのか?
高福祉の国ともいわれていますが、行政のサービスについてや移住者へのサポートについてなど、現実はどうなのかが書かれています。
保育園についての内容が多く書かれていますが、日本との考え方が面白いです。
コミュニケーション不足や友達とうまく付き合えないときは「スキル不足」と考え、練習するのだそうです。
素質や性格ではなく、スキルが足りないからうまくできないと考えるところは日本との大きな違いを感じます。
勉強だけではなく、社会性を身に着けることを重点を置いている教育は大人になって世間にでてからのことを意識していますね。
子どもがいない人にも読んでもらいたい、新しい発想が得られる内容でした。
米原万里「旅行者の朝食」
ロシア語の通訳者として活躍された作者の食にまつわるエッセイです。
ロシアやヨーロッパでの食文化の違いや、日本食への恋しさなどが書かれています。
時代を感じる背景やブラックジョーク、歯に衣着せぬ書き方など、現代とは異なるところも楽しめます。
どんなものなんだろう、気になる!
と思える未知の食体験を感じてみてください。
米原万里さんの作品を読むのは2作目で、以前ご紹介した「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」もおすすめです。
幼少期を過ごしたプラハでのエピソードを書いたノンフィクションです。
2021年に読んだベスト本にも選んでいます。
ぜひこちらも合わせて読んでみてください。
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