皆さんこんにちは!妻のしろです。
今回は私が最近読んだ、こちらの本のご紹介をしたいと思います。
柚木麻子「BUTTER」です。
こちらの本は2017年に直木賞候補にノミネートされていて、ご存じの方も多いと思います。
文庫本化の際には本屋さんで平積みにされていて、すごく気になっていました。
今回の記事ではご紹介というよりは私の感想になってしまうかもしれません。
よろしければご覧ください。
BUTTER
あらすじ
婚活サイトで知り合った男性3人を殺害したとして逮捕された梶井真奈子。
梶井は決して若くなく(30代半ば)、太った容姿、自信家な言動によって世間から注目されていました。
週刊誌で働く女性記者・里佳は梶井の独占インタビューを取りたくて、拘置所に面会に出向くようになります。
里佳は梶井との面会を続けるうちに、彼女の信奉者と同じように梶井に翻弄させていきます。
作風
柚木麻子さんというと「ランチのアッコちゃん」が有名な作品かと思います。
私も「アッコちゃん」を含め、ほかの作品も読んだことがあります。
今まで読んだ本は読みやすくてあっさり読める印象がありましたが、この「BUTTER」はそのタイトル通りどっしりと重たいです。
長編作なのはもちろん、その内容も女性の重たくて後ろ向きなところばかり書かれている気がします。
料理
タイトル通りバターを使った料理が多数登場します。
紹介されている料理によって使っているバターのメーカーが違っていて、こだわりが感じられます。
特にインパクトがあったのは最初に登場するエシレバターのバター醤油ご飯ですね。
私はバターのせご飯というものを食べたことはありませんが、すごく興味をひかれました。
エシレバターお高いですよね〜。
でもこんな贅沢な食べ方してみたいものです。
「ウエスト」のバタークリームケーキも食べてみたいです。
最近はバタークリームを使ったものはあまりないので、気になってしまいます。
また、梶井の出身地の新潟県にて、里佳が炊きたてご飯を食べるシーンがあります。
私も去年新潟に行った際には窯炊きご飯をいただきました。
そのときの感動が蘇るようでした。
新潟旅行の記事はこちら↓
梶井が思い出しながら里佳に料理の魅力について語るシーン、里佳が食事を頬張るシーンはとても美味しそうで、登場する料理を自分でも試してみたくなりますね。
感想
ここからは私の個人的な感想になります。
ネタバレ、辛口コメントご注意ください。
前述したように、内容はくどくて重たく感じられます。
しかし、後半から急に雰囲気が変わるんですよね。
そして結末…。
正直思ってもない着地点というか、置いてきぼり感がありました。
梶井の判決も書かれていないし、里佳がホームパーティーを開いて終わるというのも「なんで?」という感じでした。
もちろん里佳が梶井を通して父親のトラウマを乗り越え、新たな道を模索していくところなのでしょうが、どうもすっきりしません。
これは実際の事件をモチーフにしているので、判決や事件の行方について書かないのはその配慮なのでしょうか?
ボリュームやテーマからしても力作なのは伝わります。
だからこそ、ここまで読んで「う〜ん?」となってしまったのがどうももったいない。
この感覚は同作者の「伊藤くんA to E」を読んだときも感じました。
また、どうしてこの作品の登場人物たちはこうも人の容姿にうるさいのでしょう?
女性の生きづらさについて書かれているのだとは思うのですが、どうしてそんなに外見至上主義なのですか?
日本では痩せているほうがちやほやされる文化は確かにありますが、太っていることはだらしがなくみっともないことなのでしょうか。(もちろん健康に害がない程度の節度は必要だと思います)
この本全体を通して、こんなに女性であることは生きづらいと感じることなのかな、と思いました。
女性の社会進出によって人生の選択肢は多様性が見られるようになったと思います。
それにより、選択する悩みが増えたことは確かですが、なんだかこんなにも性別によって極端な考えを持つものなのでしょうか。
これがフェミニズムというものなのですかね。
今回は辛口コメントになってしまいました。
あくまで個人の意見ですので、ぜひ読んでご自身の感想を持っていただくのがいいと思います。
前回の本の紹介はこちらです。
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