本紹介

【白尾悠】「サード・キッチン」差別について考える【本紹介】

しろ
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皆さんこんにちは!妻のしろです

 

今回は最近読んで心に残った小説をご紹介します。

白尾悠さんの「サード・キッチン」です。

 

1998年のアメリカ留学した日本人の女の子をお話です。

 

「サード・キッチン」

本書について

2020年11月発売の344ページからなる本です。

読み応えがあり、またアメリカや外国の文化などを理解するのに少し時間がかかりました。

馴染みのない外国人の名前とそのバックグラウンドを覚えるのもちょっと時間がいりました。

 

あらすじ

時代は1998年、亡き父の影響で英語に興味のあったナオミは、都立高校卒業後アメリカの大学に進学しました。

母子家庭の彼女には留学にかかる費用はとても払えるものではありませんでしたが、資金提供してくれる「足長おばあさん」のおかげでなんとかアメリカに行くことができました。

期待に胸を膨らまし渡米しましたが、TOEFL高得点の彼女でもネイテイブのなまりのある英語についていけず、ルームメイトとの意思疎通もうまくいきません。

疎外感を感じ人とかかわるのが嫌になってしまい、図書館に引きこもって過ごしていました。

そんな自信を失っていたナオミですが、寮の隣人のアンドレアと親しくなり、学生食堂「サード・キッチン」に誘われます。

食堂なのでもちろん食事提供もあるのですが、それだけでなくここはマイノリティ学生が営むセーフスペースとしての意味も持つ場所だったのです。

「サード・キッチン」に居場所を見つけたナオミですが、マイノリティの友人たちと親しくなればなるほど自分のなかにある差別意識に気づき、悩むことになります。

そんなナオミの成長と差別について考えさせられる本です。

 

人はそれぞれ違って当たり前

この本はさまざまなマイノリティと差別が登場します。

人種、性別、貧富の差、移民問題、テロや戦争など…。

ナオミはネイテイブ相手に拙い英語しか喋れず、早口やスラングにもついていけません。

言語レベルが低いということで知能も低いと認識され、馬鹿にされるシーンもありました。

日本でも学歴差別はまだまだ残っています。

そして本の中で印象に残ったのは日本人は有色人種であるということ。

そんなこと日本で生活していると意識したこともありませんでした。

「黒人も自国では肌は何色でもない」という言葉が作中にありましたが、世界中どこの国にいたって自分の肌の色なんて関係ないと思います。

 

ナオミ=多くの日本人

ナオミは引っ込み思案で自分のマイノリティな部分を攻撃されると被害者のように振る舞うが、実は自分も無知ゆえに差別や人を傷つける発言をしてしまう。

これは多くの日本人もそうだと思います。

私にも当てはまり、読んでいて苦しくなるところもありました。

無知や無自覚から差別が生まれるということを深く考えさせられました。

また、ステレオタイプ(固定概念)も日本では差別とも思わず存在しています。

中国人は片言の日本語で「〜アルヨ」としゃべり、アメリカ人はハンバーガーなどジャンクフードばかり食べ、インド人はカレーばかり食べている。

化粧品や衣類メーカーのモデルが白人女性だと「自分もこうなりたいな」とあこがれ購買意欲が高まる。

こうした思い込みも差別につながっているのです。

ナオミ=多くの日本人を表した姿だと思います。

だからこそこの「サード・キッチン」を読んで、「知らないから、身近にないから他人事」ではなく、知ること、理解しようと考えることが大切だと思います。

 

無知な自分を考えさせれる作品でした。

おすすめです。

ぜひ読んでみてください。

 

前回ご紹介した記事はこちら↓

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