度々起こっている「持ち家」vs「賃貸」論争。
長きに渡るこの戦いに決着を付けるべく、一つの結論を言います。
満足感を得たいなら「持ち家」
お得に住みたいなら「賃貸」
これがシンプルな答えです!
ローンを払い終わったら持ち家の方がお得じゃない?
賃貸の方が満足度高いよ!
老後も賃貸で大丈夫かな・・・
とはいえ、答えがシンプルすぎると様々な意見が出てくるでしょう。
実際、持ち家と賃貸のどちらを選べば良いのかは人それぞれなので当然です。
しかし、自分の場合はどちらを選んだら良いのかが分からないから、悩みが尽きないテーマになっています。
そこで、この記事を読めば、あなたが「持ち家」か「賃貸」のどちらを選んだら良いのかを解決する糸口になります。
今まさに、マイホームを購入するか賃貸にするか悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください!
この記事で分かること
- 「持ち家」と「賃貸」のメリット・デメリット
- 「持ち家」と「賃貸」の費用を比較
- 【結論】「持ち家」or「賃貸」あなたはどっち?
「持ち家」と「賃貸」のメリット・デメリット
持ち家のメリット
- 自分のものになる
- 自由に間取りを変えられる
- 住宅ローンを組めば「団体信用生命保険(団信)」に加入できる
①自分のものになる
自分の所有物になるので、ローンを払い終えれば月々の固定費を下げられます。
また、子供に相続できる財産としての役割もあり、長期間住むのであればお得です。
②自由に間取りを変えられる
好きな間取りにリフォームできるのも、持ち家だからこその特権ですね。
自分好みの空間に設計ができるので、満足感が高くメリットも大きいです。
③住宅ローンを組めば「団体信用生命保険(団信)」に加入できる
団体信用生命保険(団信)に加入すれば、ローン契約者にもしものことがあった際は返済金が無くなります。
住宅ローンは高額なので、リスクを抑えるためにも加入しておいた方が良いでしょう。
持ち家のデメリット
- 建物のメンテナンス、維持費が掛かる
- 引っ越しがしにくい
- 値下がりリスクがある
①建物のメンテナンス、維持費が掛かる
建物や家財・設備の修繕(マンションの場合は管理費・修繕積立金)、固定資産税などの費用が掛かります。
建物が古くなるほど修繕費は高くなる傾向にあるので、ローンを払い終えても持ち家の方が得であるかは一概に言えませんね。
②引っ越しがしにくい
仕事の都合で転勤する場合など、住宅をせっかく購入したのに引っ越さなければいけない場合もありますが、住宅を売却する手間やローン返済の手続きなどで、気軽に引っ越しするのが難しいです。
③値下がりリスクがある
住宅は基本的に購入時から値段が下がるので、売却する際に損をする場合があります。
ローン残高より売却価格の方が少ない場合は返済ができない可能性もあり、売るに売れないリスクを抱える場合もあるので注意しましょう。
賃貸のメリット
- 修繕・修理の費用がいらない
- 気軽に引っ越しができる
- 税金等の固定費が無く簡潔
①修繕・修理の費用がいらない
賃貸の場合は、建物設備の修繕・修理を家主(オーナー)が行います。
住宅の修繕は高額になるケースが多いので、余計な出費をせずに済むのは助かりますね。
②気軽に引っ越しができる
子供が生まる、家族の転勤など、ライフスタイルに合わせて気軽に引っ越せるのは賃貸ならではの特権ですね。
また、ご近所トラブルなどの住んでみてからでないと分からない要素に対しても、賃貸であれば早急に対処できます。
③税金等の固定費が無く簡潔
持ち家(不動産)を買う場合は、「不動産取得税」・「登録免許税」・「固定資産税」・「都市計画税」などの税金を納める必要があります。
特に「固定資産税」、「都市計画税」は毎年掛かるので、都市部であればローン返済をした後も高額な固定費を払い続けなりませんが、賃貸であればややこしい税金の支払いはありません。
賃貸のデメリット
- 老後の不安がある
- 間取り・設備を変更できない
- ファミリー向けだと家賃が高い傾向にある
①老後の不安がある
賃貸は家賃を払い続ける必要があるので、老後に仕事がなくなった際には支払いができなくなる可能性があります。
また、家賃の少ない物件に引っ越そうとしても、高齢の入居者を断る家主もいるので気軽に引っ越しができなるくなるかもしれません。
②間取り・設備を変更できない
自分の所有物ではないので、部屋の内装を変更することは基本的にできません。
なので、賃貸では100%自分好みの部屋にすることが難しいです。
③ファミリー向けだと家賃が高い傾向にある
住宅向けの不動産は、同じ広さがあるならワンルームの部屋をたくさん作った方が家賃収入が多くなるので、家主の都合からすれば広いファミリータイプの部屋は投資効率が悪くなります。
なので、利回りを良くするために割高な家賃設定をする場合が多いのです。
「持ち家」と「賃貸」の費用を比較
持ち家と賃貸には、それぞれメリットデメリットがあることを紹介しましたが、費用の面ではどちらがお得なのでしょうか?
「持ち家」、「賃貸」それぞれに掛かる費用を見比べてみましょう。
「持ち家」と「賃貸」50年間の費用を比較
■条件
30歳~80歳の50年で比較
〇持ち家
・新築戸建て
・価格:3,500万円※1
・頭金:350万円(価格の10%)
・金利:1.87%※2(元利均等型)
※1.フラット35利用者調査(2020年)建売住宅価格を参考
※2.ARUHIフラット35(2024年1月時点)のデータを参考
〇賃貸
・引っ越し回数4回※3
・家賃:10万円※4
・引っ越し料金:15万円※5
※3.生涯移動回数のデータを参考
※4.全国ファミリー向け賃貸マンションの家賃相場の全国平均を算出
※5.4人家族全国平均相場を参考
50年間で比較すると、「賃貸」の方が約134万円ほどお得でした。
それでは、同条件でその後の費用はどのように変わるのでしょうか?
50年後の続きを比較してみましょう。
55年間で比較
「持ち家」の方が324万円ほどお得になりました。
60年間で比較
「持ち家」の方が743万円の得になりました。
これは、持ち家のローン返済が終わったことのアドバンテージが徐々に出てきた結果です。
もちろん、比較した条件によって結果は変わりますが、基本的にはローンを払い終えるまでは「賃貸」の方が得で、ローンを払い終えたら「持ち家」の方が得になる場合が多いでしょう。
ただし、持ち家のデメリットで紹介した「建物のメンテナンス、維持費が掛かる」にあるとおり、建物によってはいつまで経ってもお金を払い続けることになるかもしれません。
多くの人が勘違いをしていますが、ローンを払い終えても建物を維持するためには多額のお金が必要になります。
建物が古くなるほど修繕する頻度・費用も多くなりますし、ローンを払い終えた頃に定年を迎えている場合は、収入も少なくなり維持するのが大変でしょう。
分譲マンションであっても、修繕費・管理費は築年数と共に値上がりしてくものなので、維持費がどれだけ掛かるか読みにくい持ち家は、それだけリスクが高いとも言えます。
「持ち家」・「賃貸」のメリットデメリットを改めて確認して、どちらに住むべきなのかを考えてみましょう。
【結論】「持ち家」or「賃貸」あなたはどっち?
持ち家が向いている人
- 安定的な収入がある
- 自分だけの空間が作りたい
- 終の棲家を建てたい
①安定的な収入がある
住宅ローンは35年間の長期的な借金なので、安定的な収入がある人でないと、そもそもローンが組めません。
会社員や公務員であれば基本的にローン審査は通るので、家を購入したい人には有利です。
②自分だけの空間が作りたい
理想的な部屋を作るにはリフォームをする必要がありますが、賃貸では自由に間取りを変更できません。
なので、自分だけの最高の空間を作るために持ち家を購入することこそ、持ち家を買う最大のメリットとも言えるでしょう。
③終の棲家を建てたい
自分が今後の一生を過ごす家を建てることは、人によっては人生最大の夢でしょう。
己の人生を掛けた家で過ごすことは満足感が高いですし、大金を支払う価値があります。
ただし、思い入れが強すぎて一生引っ越しできないかもしれないリスクもあるので注意しましょう。
賃貸が向いている人
- 転勤・転職の予定がある
- 自宅で仕事をしている
- リスク資産を持ちたくない
①転勤・転職の予定がある
仕事の都合で転勤が多い職業や、これから転職をする予定のある人であれば、気軽に引っ越しができる賃貸がおすすめです。
場所に囚われず、自由に暮らしたい人にとっても、賃貸の方が向いているでしょう。
②自宅で仕事をしている
賃貸であれば、自宅で仕事をする場合は家賃の一部を経費として計上できるので、税金控除をすると実質的に家賃が安くなります。
また、持ち家でも住宅ローンの利息部分は経費になりますが、元本部分は経費にならないため、賃貸の方がメリットが大きいです。
③リスク資産を持ちたくない
持ち家を購入することは、高額な「金融資産」を持つ事と同義です。
不動産の値動きは緩やかではありますが、基本的に値下がりするものなので、うまく扱わなければ損をします。
損をするリスクを負ってまで家を買いたくない人は、賃貸の方が向いているでしょう。
費用の面でお得なのは賃貸
多くの人にとって、費用の面で見ると「賃貸」の方がお得である場合が多いです。
長年住めば持ち家の方が費用を抑えらる場合もありますが、長期間住むことで維持費も増大します。
前述では50年間での費用を比較してみましたが、50年経っても基本的には賃貸の方が少ない費用で抑えられますし、50年も経った住居は内装も外装も大規模に変えていかないと住み難くなることは想像しやすいですよね。
また、長期間住むことを予定していも、急な転勤や事故・病気、天変地異などによって、引っ越しを余儀なくされる場合も多く、行動が制限されるリスクが高いです。
ライフスタイルの常識は、近年で加速度的に変化しています。
家庭の状況に応じて、適切な家賃の物件に頻繁に引っ越せば費用も抑えられますし、老後に部屋が借りられない問題は、今まで以上の高齢化社会になれば空き家が増えるのが当然なので、むしろ借りやすくなるでしょう。
また、保証人が不要な「県営・市営・UR」などの物件もありますし、安い物件であれば年金だけでも生活していけます。
持ち家がお得な場合
逆に、持ち家の方が得するパターンは、主に下記の2パターンです。
- 物件が値上がりする
- 家賃収入が得られる(高利回りの場合)
値上がりする物件は日本では都心のごく一部ですし、良い不動産物件は情報が開示された段階で、内見をせず即日中に売買されるほどのスピード感なので、素人が探すのは至難の業です。
また、家賃収入が得られるからといって、「サブリース」契約のワンルームマンション等を購入するのは絶対にやめた方が良いです。
良い物件は何も営業をしなくても勝手に売れていくので、わざわざあなたの元に営業や広告で出回る物件は不動産屋が利益優先で販売している商品が多いです。
「何も管理しなくても不労所得が手に入る」なんてことはあり得ないので、不動産知識に自身が無い人は安易に契約しないよう、くれぐれも注意してください。
サブリースについてはこちらの記事にて、私が不動産屋とサブリース契約をしそうになった体験談と共に解説しています。
まとめ
【結論】ほとんどの人は賃貸がおすすめ
前述のとおり、持ち家では費用の面で賃貸より得をすることはほとんどありません。
なので、不動産知識に自身のない方は賃貸をおすすめします。
ただ、これはあくまで「費用」を考えた結論であって、「自分の好きな空間を作りたい!」という思いがあるのであれば、満足度のいくお金の使い方と言えます。
結局は、「自分が納得」することが大事なので、お金のことを度外視しているのであれば迷わず購入すれば良いでしょう。
家の購入は不動産投資
家を買うというのは、立派な「不動産投資」ということを理解せずに購入している人は多いんじゃないでしょうか?
世間では住宅ローンを使って家を購入することが当たり前になっていますが、「皆もやっているから大丈夫」ということは絶対にありません。
日本では基本的に、物件を購入した時点で値下がりするので、購入した時点から損しています。
さらに、初期費用や維持費等でお金を払えば払うほど、売却の際に利益が少なくなるので、売却するつもりが無かったとしても、不動産投資の観点からすると「不良債権」をずっと抱えている状態とも言えるので、さっさと手放した方が良いかもしれません。
多額の借金をしてまで購入すべきことなのかを、購入する前にじっくり考えて判断しましょう。
最後に
基本的に賃貸がお得であることを紹介しましたが、筆者である私は「持ち家(分譲マンション)」に住んでいます。
私の場合は、購入した時点では不動産知識に乏しく、購入してから不動産について勉強したところで賃貸の方がお得であると最近気づきました。
とはいえ、この記事を書いている時点でローンがまだ30年以上残っているので、簡単に引っ越すことは困難です・・・
幸いなことに私の住んでいるマンションは購入時から値上がりしているので、売却すれば少しだけ利益が得られる見込みです。
なので、いずれは売却をするためにタイミングを見計らっています。
ただ、持ち家に住んでみて分かりましたが、やはり自分の好きなようにリフォームした家はとても住み心地が良いです。
賃貸ではこの満足感を得ることは難しいでしょうから、売却することを躊躇う気持ちもあります。
費用の面で見ると「賃貸派」になりたいところですが、「持ち家派」を経験すると、両方の良さが分かるので、なかなか売却できませんね・・・
ただ、建物の値上がりがいつまでも続くわけではないので、相場価格に注意して、損をしないうちに売却したいと思います。
持ち家派の方で、自分の住んでいるマンションや戸建ての価格を知りたい方は、不動産屋に査定して貰えば正確な金額が分かりますが、概算で算出する場合はマンションなら「マンションマーケット」、戸建てなら「ウチノカチ」で検索できます。
売却する際は相場価格を知っておかなければ適正な価格で売ることができないので、必ずチェックしておいた方が良いです。
ちなみに、私の住んでいるマンション価格の推移を毎月報告しているので、参考にしてみてください。
「持ち家」・「賃貸」両方にメリットデメリットがありますが、本当の答えは自分で決めるしかないです。
物の価値は人によって千差万別。
自分が求めた価値がそこにあるのであれば、誰が何と言おうと正しい答えです。
この記事を読んで、あなたが納得のいく答えにたどり着けたなら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
持ち家の「真実の家賃」を知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。