「自分だけのオリジナルソングを作りたい」、「誰かのために曲をプレゼントしたい」
なんて考えた事ありませんか?
作曲というと、楽器が自在に演奏出来る人だけしか出来ないなんてイメージされるかもしれませんが、私個人の意見で言うと
「楽器を演奏するより作曲の方が簡単」
だと思います。
もちろん、素晴らしい曲を作るにはそれなりの労力が掛かりますが、ただ曲を作るだけなら楽器が演奏出来なくても簡単に、誰でも可能です。
例えば、画家は素晴らしい絵を描きますが、誰しも絵を描く事はそれなりに出来ますよね?
それくらいの感覚で、手軽に作曲する技術は身に付けられます。
この記事はこんな人におすすめ
・作曲をしてみたい人
・作曲(音楽)の仕組みを知りたい人
・どの作曲ソフト(DAW)を選んだらいいのか知りたい人
覚える事は1つだけ!最大のルールとは?
作曲をするにあたって、最低限覚えて欲しいルールが1つだけあります。
それは
コード(和音)に当たらない音を鳴らす。
たったこれだけです!
コード?と言われても、曲作りをしない人にはなんのこっちゃという方も多いと思うので、詳しく説明していきましょう。
細かく言えばこのルールを無視する方法もあるんですが、今回は初心者向けと言う事で
こまけぇ事はいいんだよ!
の精神で、出来るだけ専門用語は使わないように解説します。
コード(和音)とは?
コード(和音)という言葉くらいは聞いたことがあるかもしれませんが、あまり理解している人はいないんじゃないかと思います。
ピアノで例えると分かりやすいので、以下に図で解説します。
図の「ド・ミ・ソ」のように、2つ以上の音を同時に鳴らす事を英語でコード、日本語で和音と言います。
コード、メロディの役割
コードはいわゆる伴奏で鳴らす部分、メロディは歌の歌詞が乗る部分です。
例として童謡の「きらきら星」で例えてみます。
上段がメロディ、下段がコードになります。
作曲はこのコードが鳴っている所に、歌の部分のメロディを足すことで、曲が出来上がります。
例えば、絵で例えるとすると、コードが背景、メロディが主線(主役)になります。
コードという背景があることで曲の雰囲気が描かれて、そこにメロディという主役になる部分が合わさる事で、曲は完成します。
つまり、背景(コード)だけ、主線(メロディ)だけだと、なんだか物足りない絵になりますが、2つが合わさる事で、より素晴らしい絵になります。
また、そのコードをどんな画材(楽器)で描くのか、誰が描くのか(歌うのか)という要素が加わると、より素晴らしい絵になるように、音楽を絵で例えると、それぞれの役割がなんとなく分かって頂けたんじゃないかと思います。
コードに当たらない音
ここで前述のルール「コードに当たらない音を鳴らす」の説明ですが、コードを音が鳴っている時には「鳴らしてはいけない音」があります。
その音とは、「コードと隣り合っている音」です。
図で説明しましょう。
ドミソ+ド#、ドミソ+レ#、ド+ミ+ソ+ファ、ドミソ+ファ#、ドミソ+ソ#
順番に上記の音を鳴らしています。
コードのドミソを弾いている時には以下の音が鳴らしてはいけない音になります。
①ド#(レ♭)、②レ#(ミ♭)、③ファ、④ファ#(ソ♭)、⑤ソ#(ラ♭)
※ド#とレ♭のように黒鍵の音は、「違う読み方でも同じ音」と言うややこしい音です。
なぜ鳴らしてはいけないのかは、実際に聞いて頂けたので分かると思うんですが、
隣り合う音を同時に鳴らすと不協和音になり、なんだか気持ちの悪い音になります。
例外的にコードに当たる音を鳴らしている曲もあるんですが、基本的には当たらない音を鳴らしている曲が一般的です。
実際に作曲するには?
コードに当たらない音を鳴らさない事はそんなに難しい事ではありません。
図で説明します。
ドミソ+ド、ドミソ+レ、ドミソ+ミ、ドミソ+ソ、ドミソ+ラ、ドミソ+ラ#、ドミソ+ド、ドミソ+レ、ドミソ+ミ
順番に上記の音を鳴らしています。
コードのドミソを弾いている時には以下の音は鳴らしても良い音になります。
①ド#(レ♭)、②レ#(ミ♭)、③ファ、④ファ#(ソ♭)、⑤ソ#(ラ♭)
①ド、②レ、③ミ、④ソ、⑤ラ、⑥ラ#(シ♭)
※白鍵同士が隣りでも、黒鍵が間に挟まっていれば鳴らして良い音になります。
ピアノだと、左手でドミソを弾きながら、右手で①~⑥の音を鳴らせば、それだけで自分オリジナルの曲になります。
ピアノ以外でも、ギターならコードを鳴らしながら自分で歌ったり、作曲ソフトの場合でも同様に、コードを鳴らしながらメロディを考えればOKです。
コードの順番
ここまではコードにメロディを乗せる方法を説明しましたが、次にコードをどのような順番で鳴らせば良いのか?という問題があります。
あとはこの方法さえ分かれば、作曲が出来るようになるので頑張って覚えてください!
コードの種類
まずコードは何種類あるのか?という説明からしますが、コードは基本となるド~シまでの音を基準にして作成されます。
図にすると
この表のコードは「ダイアトニックコード」と呼ばれます。
読み方
M:メジャー m:マイナー (-5):フラットファイブ
例:CM7 :(シーメジャーセブン)
Bm7(-5): ビーマイナーセブンフラットファイブ
コードは基本的に4和音(4つの音を同時)で鳴らすので、4和音での説明をします。
それぞれの基準の音(ド~レ♭の縦列)に対して、7種類のコード(横列)があります。
ド~レ♭までが黒鍵の音を含めると12音あるので12×7=84種類です。
ただ、これは基本中の基本コードなので、実際には何百種類もあります。
ですが、全て覚える必要はまったくありません。
もちろん、この表に書かれているコードも全て覚える必要はありません。
ただ、12の音(ド~レ♭)にそれぞれコードがあるんだなという事だけ分かっていれば良いです。
この基本コードだけでも問題無く曲が作れるので、まずはこの表だけを使ってどのようにコードの順番を決めるのかを説明していきます。
コードの並べ方
コードの並べ方はそれこそ無限にあるんですが、基本的なルールとして「曲のバランス」を整えてあげる事が出来ればそれで良いです。
図で解説していきましょう。
まず、コードの特色(機能)は大きく分けて3通りあります。
T(トニック)
落ち着いた音。曲の最初と最後によく使われる。
曲を物語(桃太郎)に例えるとオープニング、エンディングに相当します。
SD(サブドミナント)
ちょっと不安定な音。曲の盛り上がりを補助する役割。
物語(桃太郎)に例えると序盤、中盤あたりに使われます。
D(ドミナント)
不安定な音。この音の後にはトニックを鳴らすことで落ち着く。(下記のフローチャート参照)
物語(桃太郎)に例えると、終盤の盛り上がりに使われます。
【フローチャート】コード順のルール(機能の並べ方)
ルールとしては、コードの並べ方は以下のようにします。
基本的にトニックから始まってトニックで終わります。
また、ドミナントの後にトニックを鳴す事さえ守れば、どのコードから鳴らしてもOKです。
ドミナントの後にサブドミナントを鳴らす場合もありますが、あまり一般的ではありません。
ダイアトニックコード表の下部に機能が書いてあるので、表とフローチャートを参考に並べてみて下さい。
横列のコードを使用する
あと基本的なルールとして、表の横列の並びから選んで並べます。
例えば、C(ド)の横列のコードを選んでいるときは、G(ソ)の横列のコードを使用しないようにしましょう。
実際は別の横列のコードを使用する事はよくあるんですが、初心者では難しいので、今回は説明を省きます。
やっぱりどうやって並べたら良いのか分からない!
上記の説明でも全くの初心者の方であれば、なかなか身に付けるのも大変かと思います。
そういったときは、開き直って他の曲をパクリましょう!
「いや、パクリはダメだろ!」
というツッコミを入れたくなるかと思いますが、むしろ初心者こそやるべき事は有名な曲をマネする事が大事です。
誰しも楽器で他の人の曲を演奏するように、練習として他の曲をマネする事は全く問題ないです。マネする事でコードの並べ方が分ってくるので、良い勉強になります。
それに、完全に同じ曲を作るのではなく、コードの並びだけマネをして、メロディを変えたら、それは立派なあなたのオリジナルソングになります。
実際に有名な曲でも同じコードの曲は沢山あります。
それでも抵抗がある方は、クラシックの曲であれば著作権は切れているので、安心してパクっちゃいましょう♪
楽譜に書いてあるコードを上の表と見比べて、こんな並びになっているんだと眺めるだけでも勉強になります。
楽譜を調べたい方は、無料で提供されている人もたくさんいるので、
「〇〇(曲のタイトル)、楽譜、無料」と検索すれば、大体の曲はあると思います。
ただし、大体の曲は著作権があるので、どうしても欲しい方は有料サイトでお求めください。
メロディの作り方
コードの並べ方は、フローチャートや他の曲をマネする事で恐らく出来ると思います。
そして、後はメロディを作れば曲が完成します。
メロディの作り方ですが、上記の通り「コードに当たらない音」を鳴らせばOKです。
実際にどのような操作で作っていくのか解説します。
きらきら星を例にしてみると
まずメロディを消して、コードだけを用意しました。
ちなみにコードの並べ方は上記の表でC(ド)の列から
CM7 → FM7 → CM7 → G7 → CM7 → G7 → CM7
としています。
今回の場合、3種類のコードがあるので、それぞれに当たらない音は以下です。
CM7:ド、レ、ミ、ソ、ラ、シ
FM7:ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ
G7:レ、ファ、ソ、ラ、シ
この音をそれぞれのコードが鳴っている時に、自由に鳴らせばOKです。
例として作ってみます。
こんな感じで適当にコードに当たらない音を並べていくだけで、オリジナルの曲を作ることが出来ます。
どのように作っていくかは人によりますが、私の場合は作曲ソフトで自動的にコードを鳴らしながら、音を決めていきます。
さらに、曲のテンポ、コードの鳴らし方、楽器を変えると、また違った印象の曲になります。
このように、既存のコードを使うだけでも十分に作曲をすることが出来ます。
他にも、コードの一部を変更したり、違う楽器で演奏する等、数々のアレンジ方法があります。
それでは最後に、作曲するためのソフトを紹介します。
無料で使えるDAW(ダウ)
作曲をするソフトの事をDAW(Digital Audio Workstation:デジタルオーディオワークステーション)と言います。
本格的に作曲をする場合は有料のDAWを使用する事をお勧めしますが、作曲する事を体験するだけなら無料ソフトで十分です。
無料ソフトを選ぶ際は
完全無料ソフト or 有料ソフトの体験版(無料期間のみ使用可能)
の2通りがあります。
DAWの操作方法はソフトによってかなり違います。
なので、将来的に作曲を続けていきたい場合は有料ソフトが必須になってきますが、無料ソフトで慣れてしまうと、操作方法を覚え直す覚えなおす必要があります。
なので、将来的に作曲を続けたいと思われる方は有料ソフトの体験版を利用して、無料期間の内に操作しやすいソフトを選ぶのが良いでしょう。
無料DAW
Cakewalk by BandLab(Windows専用)
SONARという有料DAWが無料になったソフト。
参考動画
GarageBnad(Mac専用)
Logic Proという有料DAWの無料版。
参考動画
無料の譜面作成ソフト
単に曲を作るだけなら、譜面作成ソフトだけでも十分です。
作成した譜面を再生する機能があれば作った曲を聞くことも出来ますし、無料でダウンロードが可能です。
Finale NotePad (Windows専用)
Finaleという譜面作成ソフトの無料版。使用制限はあるが、操作性は良い。
Musescore
無料版だと使用制限はあるが、出版譜面並みの楽譜が作れる。
まとめ
・コードに当たらない音を鳴らす。
・コード表を参考にコードを並べる。
(分からなかったら既存曲のコードを並べる)
上記のやり方さえ覚えれば、作曲をする事は簡単です。
難しく考えずに、まずはチャレンジしてみましょう!
最後に
今回の内容は音楽理論を全く知らない方のための超初心者向けとなっています。
なので、色々とツッコミ所があるかと思いますが、出来るだけ分かりやすくお伝えするには説明を省いたり要約する事も必要なので、ご容赦ください。
この記事を読んで、楽器が全く弾けなくても、作曲する事は出来るんだと思って頂けたら幸いです。
また、作詞の方法も知りたいという方は、こちらの記事で解説をしています。
最後まで読んで頂きありがとうございました♪
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